Column

清水 泰史

賃金制度について

前回までは評価制度の話をしました。
今回からは賃金に関する話をします。

賃金制度は評価制度と関連をもって運用されていますが、どの企業様でも賃金水準の設定が難しいようです。
ゆえに自社の水準に関する質問は、必ず受けます。
そこで今回は、賃金水準を決定する要因に関する話をします。

ひとつ目の切り口は、消費生活に必要な費用から算出する方法です。

公務員の給与を決定するために、毎年人事院が政令都市における標準生計費を調査し、それを公表しています。
これを簡単に説明すると、継続して生活を営むためには生活関連の支出が必要で、子供がいれば教育関連の支出も必要となります。

年齢とともに家族構成が変化します。
単身者が結婚して夫婦となり、やがて子供が増えます。
家族構成の変化より必要な生計費を算出します。

さらに、標準的な生計費に税金や保険等の非消費支出を加えて、必要な生計費を算出しています。
私はこの水準の2割増と2割減の幅を必要な生計費の範囲としています。

ふたつ目の切り口は、厚生労働省が毎年公表している基本構造賃金のデータ活用です。

これは業種別、規模別の給与と賞与の実績データなので、相対比較に活用できます。
実態調査なので、近い業種で同程度の規模のデータがあれば、参考にできると思います。

もうひとつの切り口として厚生労働省が地域性を考慮して都道府県ごとに公表している最低賃金です。

最低賃金をクリアすることは必須ですが、法の順守の意味からも、どの程度の水準にあるのかは知るべきです。

以上の水準をグラフに表し、自社の実データをプロットすれば、水準が見えてくると思います。
さらにグラフ上に自社の目指すべき水準を描けば、将来の方向性が見えてくるでしょう。

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