Column

清水 泰史

人事制度のあるべき姿

前回までは基本的な人事制度のあり方をお話しました。
今回からはさらに具体的な内容をお話します。

人事制度は等級格付制度、評価制度、賃金制度の3つに分類されます。
今回は等級格付制度に関してお話します。

等級格付制度は職位や賃金と密接な関係があります。
すなわち上級職になるにつれ上位等級へと移行し、その結果賃金も上昇します。
どこの組織もイレギュラーはあるにせよ、等級格付は職位や賃金とのバランスを保って決定されるのです。

等級格付制度を設計する際のポイントを3つお話します。

1つ目は入社から退職までの会社人生を、大きく3つに分けることです。

第1ステージは「能力育成段階」で、おおよそ入社から10年程度です。
第2は「能力充実段階」で、10年から20年程度です。
第3は、「能力活用段階」で、20年以上となります。

2つ目のポイントは、3つのステージに職位を組み合わせることです。

第1のステージは実務職であり、実作業を修得し、一人前になることに重点が置かれます。
第2のステージは監督職であり、この時期には部下の存在があり、部下や後輩の育成指導も必要となります。プレヤーだけでなく、監督としてチーム運営に関与します。
第3のステージは管理職であり、課や部の統括としての役割が増え、人を活用して業務を行なうことも増えます。さらに、管理や監督は行なわないが、専門的技術や技能の向上に重きを置く、専門職の存在も重要です。

3つの目のポイントは、どれくらいの年数で等級がかわることが望ましいかを考えます。

私は3年から5年程度目処に等級が変わることをお勧めしています。
前述した「能力育成段階」はおよそ10年、「能力充実段階」もおおよそ10年であるとすると、「能力育成段階」は3つの等級、「能力充実段階」は2つの等級、「能力活用段階」も2つの等級が必要です。
この場合、合計7等級になります。
おそらくこれ以上の設定をするほうが、ヤル気の源泉としては望ましいように思われます。

すなわち、自分の成果が認められた結果として昇進や昇格が実施されるので、長い間同じ等級に滞留するよりも、適度な間隔で変わるほうが望ましいように思えます。
ただし総合的に判断して賃金上昇の問題や、組織上のポストの問題もあるので、むやみに昇格させることができません。
そこで評価制度を活用して会社の方針に沿った人材や、優れた能力を持った人材を発掘して、適材適所を与えるのです。

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