Column

清水 泰史

評価の現場では

前回までは私が考える人事制度や賃金制度の考え方を述べてきました。
今回からはそれらに関連した事柄を述べさせてさせていただきます。

いままでに人事制度を構築した組織の数も多く、引き続き運用を支援している組織も多くなりました。
先日もある企業様の評価結果を分析させていただくと、予想以上の中央化傾向にやや残念な思いをしました。
その企業さんは制度の見直しも継続的に行なわれており、考課者訓練なども熱心に行なわれています。そのような企業様で評価結果は意外にもメリハリのない状況でした。
なぜそのような結果になったのでしょうか。

中央化傾向になるのは評価者が普段から被評価者の行動が観察できていないか、観察していたとしてもそれを評価する能力や自信がない場合、あたりさわりのないように中心的な評価を行なうことが一般的です。

評価者が適正な評価を行なえる組織は、良い悪いのメリハリが利いた結果が多いように思えます。
すなわち、良い場合も悪い場合もなぜそうなのかの根拠が明確であるからです。
自信がなく評価する場合は、その根拠が述べられないので、あたりさわりのない中心的な評価となるのです。

ではこのような事態の対策はどうすれば良いのでしょうか。
判断する能力があり、その根拠となる証拠さえあれば評価できる人は、手を抜かずに普段から記録を収集すれば解決しますが、それができないからまとめて評価しているのでしょう。
習慣づけるためには、毎月被評価者の行動や結果を確認できるようにすれば良いのです。
被評価者に定期的に報告させれば良いのです。これがルーチン化すれば面倒ではなくなるはずです。

上記の例とは異なり評価する能力がない場合は、評価できる人の助言を求めましょう。特に技術系であれば特異な技術の保有者も多くなります。
すべての評価者がそれらを理解できるとは思えません。ゆえにその技術を理解できる人に助言をもらうことが、良策です。
知ったふりをしてわからないことを評価することは、評価者としては避けるべき行動です。ですが以外にもそれが現実のようです。

これらのことを考課者訓練で何度も繰り返し評価者に学んでいただき、理解してもらう必要があります。
これらを行なわずして有効性が高い評価は望めません。

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