Column

内海 政嘉

自社を互いに知ることで共通の価値観が生まれる

先日、経営者と後継者を対象者とした座談会の進行役(コーディネーター兼アドバイザー)を務める機会がありました。
座談会では各社が取り組んでいる経営改革での課題や、その解決策などについて活発な話し合いが行われました。

その中で、ある経営者の方から、コンサルタントに協力をいただき知的資産経営報告書をつくられたと言う話がありました。
「知的資産」とは、特許やノウハウなどの「知的財産」だけではなく、人材や組織力、技術力、顧客とのネットワークなどの企業の強みとなる資産とことを言います。
知的資産経営報告書とはこのような自社の強みを整理しまとめたものです。

報告書を作るために、後継者を中心に各部門からメンバーが選ばれ、約7ヶ月の歳月をかけ、「自社の本当の強みは何か」、「なぜ、強みと言えるのか」といった議論を繰り返して完成させたそうです。
この議論は、真剣であり、本音で話し合われ、時には意見の衝突もあったようです。でも笑顔が絶えることなく、活発で楽しい雰囲気での話し合いができたそうです。
報告書づくりを通して、メンバー同士のコミュニケーションはとてもよくなり、また、仕事の姿勢も大きく変わった方もいるようです。
以前に比べ、みんなが協力し合い、一体となって改革に取り組めるようになったとその方はとても喜ばれていました。

このようにメンバーが一緒になって、自社の知的資産を深く掘り下げ、自分の考えや意見を出し合うといった本音での話し合いができたこと。また、このような対話を通して、自社の製品やサービスのすばらしさ、高度な技術、社長や後継者の考え、個々のメンバーの考えなどを、お互いがより深く知ることができ、共通の価値観が生まれたのでしょう。
同じ価値観を共有できれば、何をするにしても社員の行動がぶれたり、バラバラになったりすることはありません。改革に向け一体的な取り組みができているのは、共通の価値観をもてたことが大きな要因であると言えるでしょう。

競争が激しい時代、組織上げての効率追求は欠かせません。そのためにも時間を設け、互いに自社を知るといった取り組みをしてはいかがでしょうか。

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