清水 泰史

上司が部下を見ているのか

前回は自己評価のことを述べました。

自己評価に対して他人が評価することを他己評価といい、通常は直属の上司や所属する部門長が行なうので、上司評価とも言われています。
上司は評価をするための説明や訓練を受けるのが一般的だと思います。ゆえに部下が行なう自己評価よりは、結果の偏りが少ないだろうと思われるのですが、実際は色々と問題があります。
私も仕事で評価者の訓練を担当する機会も多いので、良く聞かされる問題点をお話します。

評価期間は半年に設定されている組織が多いと思います。
上司は半年ごとに評価を行なうのですが、日頃から本当に部下をよく観察しているのでしょうか。

実際には、部下とのコミュニケーション不足であったり、部下の仕事が把握できていなかったりすることも多く、仕事の過程を理解していない場合も多いようです。
そういう上司は評価時期の前になってあわてて評価材料を集めるか、知っているふりをして適当に評価しているのです。
ゆえに前回お話した自己評価では、部下が高い評価をした場合、それに影響を受けて上司の評価も高くなるのです。
部下を評価する材料を持っている上司は、部下の評価が高ければ、それに対する意見もきちんと述べられますが、そうでない上司は抗弁できないので、部下の自己評価の影響を受けてしまうのです。

さらに次のような例もあります。
4月から9月が評価期間の場合、上司は評価時期に近い8月や9月の結果は良く覚えているが、4月や5月の記憶が少なく、評価されないこともあります。
評価直前の印象が評価を印象付けているのです。

このような例は上司が部下を日頃からよく見ていないことから起こりうる問題です。
これをなくすためには定期的に部下との話合いの場を持つことが唯一の解決策です。

私が関与している企業様には、少なくともひと月に1回は仕事の進捗を上司が確認する場を作るよう、お願いしています。
仕事の進捗に問題がある場合には上司に相談し、助言を求めます。進捗を確認する場で評価は行ないませんが、報告を受けた内容や、自分が助言した内容は記録として残ります。
これを6回繰り返せば、評価時期になってもあわてることはありません。
上司は、日頃から部下の仕事の過程は見ているので、最終の結果に注目すれば良いのです。少なくとも部下と評価結果に関する議論になったとしても、それに対する抗弁できる材料は確保できているはずです。

今回言いたかったことは、上司の役目は単に良い悪いの評価をすることではなく、日頃の部下の良き助言者となることです。
部下とのコミュニケーションが取れている上司の評価に対しては部下も納得し、そうでない上司に対しては部下も不満を抱くのです。

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