自主改善とは
「自主改善」とは、部門目標を達成するための取り組みです。
ここでの部門目標とは、経営者が示したビジョンを実現するために、
各部門が1年間で取り組む内容を計画にしたものをいいます。
ビジョン:経営者が示した、3年後の会社のあるべき姿
具体的には、次のような取り組みを指します。
- 部門目標の作成
- 部門目標を達成するための施策の作成
- 部門目標を達成するための全員参加の改善活動
通常の改善活動と自主改善の大きな違いは、改善への取り組み方や進め方にあります。
基本的な考え方は、人から言われてやるのではなく、自らが考え、行動していくことです。
- 部門目標は、部門長が中心になって作成する
- 部門目標を達成するための施策は、職場のリーダーを中心に作成する
- 改善活動で生じる問題は、担当者が解決策を考えて行動する
自主改善は、単に作業を改善するための活動ではありません。
ビジョンを現場の行動につなげ、人を育て、組織を変えていくための取り組みです。
仕事を任せ、考えさせることで人は成長する
以前、品質改善に取り組んでいる食品メーカーの部門長から、
次のようなお話を伺ったことがあります。
「職場のリーダーは、言われたことしかしない」
「そのため、仕事でのミスや不良品が減らない」
しかし、話をよく聞いてみると、その部門長は非常に優秀な方で、
何をするにしても部下に細かく指示を出していました。
上司が正しい答えを示すことは、一見すると効率的です。
しかし、指示されたことを一生懸命こなすだけでは、人はなかなか育ちません。
人が成長するためには、上司や先輩から教わったこと、研修で学んだことを、
実際の仕事の中で活かす機会が必要です。
知識は、実践して初めて自分の力になります。
そのために大切なのは、すべてを指示するのではなく、
部下を信じて任せることです。
任せたばかりの頃は、目標や施策が十分に具体的でなかったり、
問題の解決策が的を射ていなかったりすることもあります。
しかし、大事なことを任されると、人は考えます。
考え、実行し、振り返ることを繰り返す中で、
目標や施策は少しずつ具体的になっていきます。
また、言われたことではなく、自分たちで考えて成果を上げることで、
モチベーションが高まり、大きな自信にもつながります。
その積み重ねによって、リーダーとしての責任感が高まり、
目標達成に向けて粘り強く取り組む姿勢が育っていきます。
自主改善がリーダーを育てる
自主改善に取り組むことで、職場のリーダーは大きく成長します。
なぜなら、自主改善では、目標を考え、施策をつくり、問題を解決し、
結果を振り返るという一連の経験を積むことができるからです。
自主改善で育つ力
- 目標を考える力
- 課題を見つける力
- 施策を具体化する力
- 周囲を巻き込む力
- 結果を振り返り、次の改善につなげる力
部下への積極的な関わりや、部門内での調整、他部門との連携など、
実際の改善活動の中でしか身につかない力もあります。
自主改善は、改善成果を出すための取り組みであると同時に、
自社に必要な本物のリーダーを育てるための実践の場でもあります。