Column

清水 泰史

評価制度の目的

先月までは目標を決めて行なう改善活動のことに関して、話をしてきました。

今月からは、評価制度に関することを、お話します。

先日『やる気を高め、人を育てる人事制度の作り方』というテーマで、セミナーを行ないました。
今回から数回にわたり、この内容でお話します。

今回は『評価制度の目的』に関するお話です。

人事制度の改定が行なわれる出発点として、評価制度の目的を、経営トップが明らかにすることです。
社員さんの思いは、改定するたびに、評価自体が厳しくなり、選別されるようなイメージが増加するようです。
良いイメージよりも、悪いイメージが先行するほうが、多いようです。
これらを払拭するために、経営トップが自社の評価制度の目的を、きちんと説明する必要を感じます。

では、なんのために評価を行なうのでしょうか?
給与や賞与の分配を決めるためと思われている方も多いのではないでしょうか?
評価後に給与改定や賞与の支給があるので、関連性がないとはいえませんが、これが真の目的であれば、評価を行なわないで、部署内の序列を決めて、分配すれば解決します。

ひとつ目の目的は、会社が評価制度を通じてあるべき人材像を明確にすることです。
会社には経営理念があり、将来のビジョンが描かれます。それを実現するための年度目標が設定されます。
あるべき人材は、目標実現のための経営資源です。その人材像は公表されなければなりません。

ふたつ目の目的は、評価制度を通じて、上司が部下を育成することです。
評価結果を単に伝えるだけでなく、部下に長所や短所を認識させて、能力向上のためのツールとして活用することが、評価制度の真の目的だと思います。

これらの目的が実行されれば、優秀な人材が会社内で育成され、『期待する人』として会社の経営資源となるのです。

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