Column

内海 政嘉

認められたい気持ちを大切に

ある会社で行った若手リーダー研修でのことです。

「上司からどのように思われているか」といった質問をしたとき、参加者の大半から、「仕事ができないと思われている」、「あまりよく思われていない」といった返事に驚かされました。
冗談にも「認められている」といった人は一人もいませんでした。
その理由は、上司から、「なぜ、できないんだ」、「なぜ、わからないんだ」と言われ続けたことにありました。
そのことで、自分は能力がないと思い込み、自信を持てなくなったのでしょう。

質問を変えて、「上司からどのように思われたいか」と聞いてみると、「できる奴」、「頑張っている」、「優秀」と思われたいという返事でした。
中には、いつも上司から厳しく注意を受け、その度に萎縮して何も言えなくなる人もいました。
その人でさえ、「自分もできると言われたい」とボソッとつぶやかれたことは、今でも鮮明に覚えています。
誰にでも認められたいという気持ちがあるのです。

時には上司として部下を厳しく叱ったり、注意をしたりすることは必要です。
しかし、いくら部下のためとはいえ、いつも厳しい言葉ばかりでは、部下はやる気や自信をなくすだけです。
また、部下の無反応を見て「出来ない奴」「やる気がない」と決めつけるのも早計です。
部下の無反応は、上司の厳しい追及や叱責などの理由があるものです。

上司は、部下の認められたい気持ちを大切にすることです。
小さな成果への賞賛や、努力や頑張りへの励ましなど、本心からかけた言葉は心に響くのではないでしょうか。
特に、身近な上司から認められることは、部下にとって大きな自信となり、やる気も俄然沸いてきます。

上司からの承認を自覚することで、部下の無反応がやる気へと変わることもめずらしくありません。
認めることで、叱ることも活かされるのです。

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