Column

内海 政嘉

自覚と責任:お客様と約束する

自ら約束することは、約束したことに対する自覚が促され、結果として責任意識が高まります。 特に、お客様との約束はこの傾向をいっそう顕著にします。 ある製造業で急激な生産増もあって、納期の遵守率が70%前後とそれ以上なかなか改善が進まない状況が続いていました。営業からも納期遵守を強く迫られ、製造部門の責任者も懸命に取り組むのですが、一向に納期遅れが納まりません。 そこでお客様との納期改善会議に納期改善の主導者である2人の製造現場主任が参加させることとしました。 結果的には、2人の主任自らがお客様と納期を約束するようになりました。 するとどうでしょう。約束したその翌月から早々に納期遅れが少なくなり始め、数ヶ月で90%まで守れるようになりました。 何が変わったのか。責任意識が変わったのです。 実際、納期を守ることに対し、現場において従来以上に率先して改善に取り組む姿勢が見られるようになり、私も含め、上司である部門責任者も驚いた次第です。 改善会議に参加しお客様の生の声を聞き、最終的には自分たちが納期を約束することで、今までとは違った責任意識が芽生えたのです。 このように自らがお客様と約束することは、大いに自覚と責任意識を高めます。経営者や上司はお客様と約束できる場をつくることで、部下や社員の責任感を大いに育ててもらいたいものです。

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