いつもお世話になりありがとうございます。
毎年11月は労働基準の強化月間であり、労働基準監督署の調査が重点的に行われることになります。
そこで今回は、労働基準監督署の調査は、何を目的に、どんなことを調べるのかについてお話ししたいと思います。
労働基準法、労働安全衛生法に関して、対象企業の法令違反の発見、違反した企業への是正、指導が目的で実施されます。
労働基準監督署の定めた方針に基づいて、定期的に実施される調査が定期監督です。
2〜5年周期で行われるとされていますが、実際には対象企業を選定して実施しています。
現在は安全衛生に関する調査内容が多く、特に労働者の労働時間、サービス残業の有無、それに伴う健康管理に対する健康診断の実施状況と実施後の措置方法について重点が置かれているようです。
その他、法改正により指導のための調査が必要とされる場合や、ニュースで大きく報じられた事例に並び法令違反取り調べ調査が必要とされる場合に実施されることもあります。
企業における現就業中の社員(契約、パート、アルバイト含む社員)や退職後の社員から、通報(違反申告)があった場合に実施される調査が申告監督です。
労働基準監督署から事前の連絡はありますが、社員からの通報内容によって悪質な違反と判断された場合、対象企業が資料を改ざんしてしまうことを防止するために直接企業へ調査訪問することもあります。
初めから「法令違反」がある前程で調査するので、厳しく調査されることが予想されます。
業務中に大きな労働災害が発生した際、再発防止のために実施される調査が災害時監督です。
調査場所は事故が起こった現場だけでなく、工場内の機械やライン、資材保管場所の状態など、安全管理体制全般にわたって調査されます。
現在は対象企業の正規雇用社員だけでなく、派遣などの非正規雇用社員も増加していることから協力会社との契約関係や、責任範囲なども調査の対象となります。
再監督は、初回調査をした全ての企業に対して実施されるのではなく、社員から再度通報があった場合や、期限までに「是正報告書」が提出されなかった場合、また「是正報告書」の内容に問題があった場合に実施されることになります。
調査は労働基準監督署の労働基準監督官(2名体制)によって実施されます。監督官は対象企業の業務関係場所(工場、事務所、寮、倉庫など)に立ち入り、帳簿や書類の提出を依頼することができますし、事業者や労働者に対して尋問することができ、それに応じない場合は強制捜査や、使用者を逮捕することができる強権を持っております。
① 事前連絡 → ② 調査(臨検)(・企業概況確認・労働関係帳簿の確認・聴取) → ③是正勧告