社労士小垂のコラム (No.3)

No.3 2012年11月22日

「中小企業定年引上げ等奨励金」について

急速な高齢化の進行に対応し、高年齢者が少なくとも年金受給開始年齢までは意欲と能力に応じて働き続けられる環境の整備を目的とした、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、平成25年4月1日から施行されます。
今回のコラムでは、この法律改正に合わせて就業規則等社内規程の改訂をお考えの会員企業様が受給できる可能性のある「定年引上げ等奨励金」についてお伝えします。

「中小企業定年引上げ等奨励金」は、65歳以上への定年引上げ、定年の定めの廃止、希望者全員を対象とする70歳以上までの継続雇用制度の導入又はこれらの措置とあわせて高年齢者の勤務時間の多様化に取 り組む中小企業事業主に対して助成されます。

支給対象となる事業主

次のすべてに該当する事業主に対して支給されます。
  • 雇用保険の適用事業主であり、定年年齢の引上げ等を実施した日(「実施日」)において常用被保険者の数が300人以下である。
  • 実施日の1年前から支給申請日の前日までの期間に、次のいずれにも該当していないこと。
    • 60歳を下回る定年の定め
    • 65歳未満の定年の定めをしている場合に、継続雇用制度などの高年齢者雇用確保措置を講じていない
  • 実施した措置が、就業規則等により定められていた旧定年年齢・旧継続雇用制度を超えるものであること。
  • 支給申請日の前日において、1年以上継続して雇用されている60歳以上の常用被保険者が1人以上である。

支給額

実施した制度の種類とその制度を実施した日における常用被保険者の数に応じて、次の額が支給されます。

現行の
定年年齢
企業規模
事業主が実施した措置および支給金額
定年引上げ(65歳以上 70歳未満)
定年引上げ(70歳以上)
定年の廃止又は
希望者全員70歳以上継続雇用制度の導入
希望者全員65歳以上70歳未満継続雇用制度と同時に労使協定に基づく基準該当者を対象とする70歳以上までの継続雇用制度の導入
60歳以上
65歳未満
1〜9人
40万円
40万円
20万円
10〜99人
60万円
80万円
40万円
100〜300人
80万円
120万円
60万円
65歳以上
70歳未満
1〜9人
40万円
10〜99人
80万円
100〜300人
120万円

多様な労働時間制度(高齢短時間制度)を併せて導入した場合の加算額 20万円

申請手続き

次の書類を都道府県の高齢・障害者雇用支援センターに提出してください。
なお、申請期限は制度を導入した日の翌日から起算して、1年以内となります。
  • 中小企業定年引上げ等奨励金支給申請書等
  • 平成18年4月1日以降の定年及び継続雇用制度が確認できる就業規則等
    ただし、次の場合には、定年及び就業規則等に関する申立書の提出が必要となります。
    • 就業規則等について労働基準監督署の受理日が、実施日から6か月以降の場合
    • 平成18年4月1日以降に就業規則等により定年等を明文化していない期間がある場合
    • 平成18年4月1日以降の定年等を定めた就業規則等を紛失等により提出することができない場合
    • 定年の定めの廃止を実施した場合において、就業規則等にその旨の記載がない場合
    • 常時10人未満の労働者を使用する事業主で就業規則等を労働基準監督署に届出されていない場合
  • 常用被保険者全員の雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(写)又は常用被保険者全員の記載がある事業所別被保険者台帳(写)
  • 登記事項証明書(個人事業主にあっては税務署長へ提出した所得税申告書(写)等)
  • 直近の労働保険料に関する書類:労働保険確定保険料申告書(写)(労働保険事務組合委託事業所にあっては、労働保険料納入通知書(写))
  • その他記載事項を確認する書類

その他

平成23年4月1日から平成24年3月31日までに制度を導入された事業主、並びに平成23年3月31日以前に制度を導入された事業主への奨励金もありますので、該当される方は弊社までお尋ねください。

厚生労働省のリーフレットは
>> こちら (PDF )

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