Column

清水 泰史

評価におけるフィードバックの重要性

以前にある企業で組織の実態調査を行なった際にこのような意見がありました。
会社では評価は行なわれているが、結果は被評価者に伝えられておらす、フィードバックされていませんでした。その社員は評価結果が良いのか悪いのかもわからなく、結果が賞与等に反映されても、なぜそうなったかが理解できませんでした。

このように、何が良かったのか悪かったのかを知らされない場合、本人は納得がいかないし、不満足が蓄積されます。単に処遇を決めるための査定であれば部下の動機づけや成長は期待できません。
この企業では評価者自身が評価本来の目的を理解していなかったようです。ゆえに以前にも述べたように評価者の研修が重要となります。

さて本題に戻り、評価におけるフィードバックの重要性を述べます。
フィードバックとは部下の能力や成果の価値を認め、それを本人に伝えることです。価値が評価者の期待を下回った場合は、さらなる期待として伝え、それを動機づけにつながるようにします。

このように価値を認められることや、期待を伝えられることは外発的動機づけですが、本人の自発性を直接刺激するので、内発的な動機づけにつながります。
上司の役割は、部下の自立性や自発性を高める内発的動機づけを高めることです。
報酬は外発的な動機づけでありますが、報酬が増えたとしてもさらなる増加を期待するため、内発的な動機づけにはつながりにくいのです。ゆえに承認や期待は効果的な動機づけとなります。

次に、フィードバックを行なう際の留意点を述べます。

  • 第1に、フィードバックは部下の行動や発言などの具体的な行動について行ないます。
  • 第2に、良かった点や悪かった点は具体例で示します。
  • 第3に、良かった点は直ぐに伝えても問題ありませんが、悪かった点は場所と時間を配慮して本人に伝える必要があります。

次回は効果的なフィードバックについて述べます。

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